社会福祉士ってとっても意味がないって聞いたんだけど・・・。
本当に意味がないの?
社会福祉士をとるメリットってある?
この記事は、こんな疑問にお答えします。
この記事の内容
- 社会福祉士とは
- 社会福祉士の資格が意味がないと言われてしまう理由
- 社会福祉士の4つのメリット
この記事を書いた人
- 社会福祉士
- 施設長、サービス管理責任者を務めた経験あり
- 施設新規立ち上げ、運営、採用業務経験あり
社会福祉士の資格が必要ないと言われる理由
あなたは、こんな話を聞いたことがありますか?
社会福祉士の資格って意味ないらしいよ!
この記事を読まれている方の中には、社会福祉士の資格取得に向けて勉強中の方、資格を取ろうか悩まれている方がいらっしゃると思います。
でも、「意味がない」って聞くと「やめようかな」「頑張っても意味ないのかな」と思ってしまいますよね。
頑張っている人からすると、「意味がない」と言われると悲しくなりますよね。
しかし、なぜこのように言われるのでしょうか。
その理由を解説していきます。
1.社会福祉士の資格がなくても業務はできる
そもそも社会福祉士とは
社会福祉士及び介護福祉士法の第一章第二条では、以下のように定義されています。
「社会福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、身体上若しくは精神上の障害があること又は環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある者の福祉に関する相談に応じ、助言、指導、福祉サービスを提供する者又は医師その他の保健医療サービスを提供する者その他の関係者との連絡及び調整その他の援助を行うことを業とする者をいう。」
社会福祉士は「業務独占」の資格ではない
社会福祉士は、名称独占の資格です。
名称独占って何?
名称独占・・・資格がないのにその資格の名称を名乗ってはいけない
栄養士、保育士、社会福祉士など
業務独占・・・資格がないのに業務を行ってはいけない
医者、弁護士など
社会福祉士及び介護福祉士法の第四十八条を見ると以下のように書かれています。
「社会福祉士でない者は、社会福祉士という名称を使用してはならない」
これは、社会福祉士の資格を取得している人だけが「社会福祉士です」と名乗ることができるという意味です。
しかし、名称を使用してはいけませんが、社会福祉士の資格を取得していなくても業務を行うことはできるのです。
やっぱり意味ないんじゃ・・・。
・・・と思われるかもしれません。
やはり社会福祉士の資格を取得しても意味がないのでしょうか。
2.資格がなくても優秀な人・活躍している人がたくさんいるから
福祉の現場では、資格がない人も働いています。
そして、資格がなくても優秀な人はたくさんいます。
資格=即戦力ではありません。
資格よりも現場での経験がものをいいます。
また、一緒に働く人に対して「この人は資格がある人」「この人は資格がない人」という認識がない場合もあります。
資格があってもなくても同じ業務をこなしているとなおさらです。
資格があると仕事ができる、資格があるとえらいということはありません。
3.メリットを感じる人もいれば感じない人もいるから
社会福祉士が活躍する場は多岐にわたるため、同じ社会福祉士でも仕事の内容は違います。
そのため、誰かが「社会福祉士はメリットがある」といっても、職場も仕事内容も違うみなさんが同じように思うかはわかりません。
働く環境が違えば、意見が変わってくるかと思います。
また、同じ職場にいたとしても同じ考えをもつとも限りません。
感じ方は人ぞれぞれだからです。
「メリットがある」という意見も「メリットがない」という意見もその人にとってはそれが事実なので、どちらが間違っているということはないのだと思います。
社会福祉士のメリットについてのお話が出てきたら、なぜそう思うのかという部分にもしっかり耳を傾けて聞いてみるのがオススメです。
理由抜きに表面的に聞いて鵜呑みにしてしまうのはもったいないと思います。
社会福祉士の資格のメリット4つ
筆者が仕事をしている中で感じたメリットをご紹介します。
全員の方が同様のメリットを感じるとは限りませんので、ご理解ください。
参考程度にお読みください。
1.資格手当をもらうことができる
社会福祉士の資格をもっていることで手当が出る場合があります。
私の働いていた職場は、社会福祉士の資格をもっていると3万円/月もらえました。
1年で36万円。
10年で360万円。
資格のあるなしで結構な差が出ますよね。
当時、同僚の中には働きながら資格取得を目指して頑張っている方もいました。
しかし、求人を見るとわかりますが、資格手当がないところもあります。
資格手当を設けている職場に就職しないとメリットが感じられません。
2.信頼を得ることができる
資格をもっていることで、一定の知識があることを証明できるので、信頼を得るのに役立ちます。
特に相談支援の場ではそう感じることが多いです。
利用者さんと面談をしている時、利用者さんからこんなことを聞かれたことがあります。
「資格は何をもっているんですか?」
また、施設の見学にきた保護者の方からこんなことを聞かれたことがあります。
「施設の有資格者の割合はどのくらいですか?」
いずれのケースも、資格があること、有資格者が在籍している施設であることをお話すると安心していただけました。
皆さんは、何か情報を得る時、その道に精通している人、プロに話を聞きたいと思いませんか?
よく名刺にも資格名が書かれていますよね。
名刺に書かれた資格は、会ったばかりでも一定の信頼を得るのに一役買っています。
時には、初対面の利用者さんやご家族の方のご相談を受けることもあるかと思います。
利用者さん側からすれば、よく知らない初対面の人に話をしなければなりません。
「この人は信頼できる人か」
「どのくらいの知識があるのか」
「気持ちをわかってくれるだろうか」
と、当然不安な気持ちもあるはずです。
信頼に値するかどうか、それを判断する1つに資格があるのではないでしょうか。
もちろん、資格だけが全てではありませんが、特に経験が浅い場合や、年齢が若い時には、資格の存在が助けになることもあるのです。
3.昇進・昇給できる
資格があることが評価され、昇進・昇給につながることもあります。
筆者は、資格があることで、早い段階で「サービス管理責任者」になるための要件を満たすことができました。
また、「サービス管理責任者」になったことで待遇も上がりました。
サービス管理責任者とは
障害福祉サービスにおいて、「サービス管理責任者」の配置が義務付けられています。
サービス管理責任者になるためには、一定期間以上の実務経験年数が必要です。
しかし、有資格者の場合、その必要な実務経験年数が短縮されます。
その”有資格者”に該当する資格に「社会福祉士」が含まれています。
資格がない場合よりも、短い実務経験でサービス管理責任者になる要件を満たすことができるのです。
4.働ける場が増える
福祉の仕事を探して求人を見ると、社会福祉士が必須条件になっていたり、優遇扱いされていることがあります。
社会福祉士がなければ、働けないところもあるのです。
資格をもっていることで、働ける場の選択肢が増えるというのは大きなメリットではないでしょうか。
施設側からすれば、サービスの質の維持、向上を目指すことを目的に、資格がある人を雇うこともあります。
また、資格がある人を雇うことで、施設の配置基準をクリアできたり、加算がつくこともあるので、施設によってはそうした理由で雇う場合もあり得ます。
社会福祉士だとなれる職種もある
介護施設で働く生活相談員。
社会福祉士の場合、生活相談員になることができます。
施設の種類やサービス提供時間、利用者の人数によっても異なりますが、配置しなければならない職種の1つです。
例えば、特別養護老人ホームでは、利用者100人に対して1人以上の常勤の生活相談員を配置しなければなりません。
児童養護施設や乳児院で働く家庭支援専門相談員。
社会福祉士の場合、家庭支援専門相談員になることができます。
家庭支援専門相談員は、児童養護施設、乳児院などに配置が義務付けられている職種です。
社会福祉士がいることでつく加算もある
障害福祉サービスでは福祉専門職員配置等加算があります。
福祉専門職員配置等加算(I)(II)は、施設で働いている職員のうち、社会福祉士などの有資格者が一定割合以上であると加算がつきます。
まとめ:資格をとる目的を考える
あなたがどのような場所で働きたいか、どのように働きたいかによって、資格の必要性も変わってくると思います。これから取得を考えている人は、そのあたりをよくイメージしてみるのがおすすめです。
ちなみに筆者自身は、社会福祉士をもっていて損をしたことはありません。