
面談記録って何のために書くの?
記録をとるとき、どんなことを意識してる?
記録の書き方が学べるおすすめの本ってある?
この記事はこんな疑問にお答えします。
この記事がオススメな人
- 福祉の現場で面談を行う支援者
- 福祉の現場に出たばかりの新人さん
- 面談記録の意味や気をつけるべきことを知りたい人
この記事を書いている人

- 社会福祉士
- 障害者の就労支援を経験
- 施設長、採用担当、新人教育担当を経験
なぜ面談記録を書くのか〜現場で実感した面談記録の5つの意味〜

皆さんは、面談記録って何のために書いているのか意識していますか?
いつも何となく面談記録を書いている方は、ぜひ「何のために書くのか」を意識してみてください。
面談記録がなぜ必要なのか、どんな意味があるのかを知っておくと記録も書きやすくなります。
おさえておきたい!面談記録の意味5つ
- 支援をした証明
- 忘れないための備忘録
- 話の整理
- アセスメントや支援計画作成に役立てる
- 他の人に情報を共有する
支援をした証明
記録は、支援を行ったという証拠になります。
記録された内容は、適切なサービスを行っているかどうかを確かめる一つの材料となります。
「どうせ自分と同じ施設の人しか見ないよね」と思ってはいけません。
面談記録は、監査や評価等で外部の人間も目にする機会があります。
忘れないための備忘録
面談の内容を書き留めておくことで、忘れないようにする意味もあります。
1日に何度もたくさんの人と面談をしていると、誰がどんな話をしたか思い出せなくなりませんか?
また1週間、1ヶ月と時間が経つと面談の内容も忘れてきてしまいます。
「あの時はどんな話をしたんだっけな」と忘れてしまった時も、記録を見ればスムーズに思い出すことができます。
話の整理
話を聞きながら頭の中で整理するのって大変ですよね。
でも、文字に起こすことで話の内容を目で見て整理することが可能になります。
面談の途中で記録を見返して、聞き漏らしていることないか確認できますし、足りない情報があればその場で確認ができます。
アセスメントや支援計画の策定時に役立てる
記録に書かれた内容は、利用者のアセスメントや支援計画を立てるのに役立ちます。
一定期間でアセスメントを行うと思いますが、そのタイミングで今までの記録を見返すのがオススメです。
記録の内容をもとに評価し、計画を見直すことができます。
利用者にどんな変化があったか、支援目標の達成はどの程度進んでいるか確認します。
記録がしっかりと残っている方がアセスメントや計画策定もスムーズになります。
他の人に情報を共有する
記録は、他の人に情報を共有するのに役立ちます。口頭で全て報告するよりも記録を見せた方が効率的です。
また、記録を見た上司から指導やアドバイスを受けることも可能です。
そして、自分がいなくなったとしても、記録をもとに他の人も一貫性のある支援をすることができます。
内容だけじゃない!記録をとるときに意識しておくこと6つ

記録をとるときに意識しておきたいことは、次の通りです。
面談記録で意識したいこと6つ
- 5W1H
- 外部の人に見られても大丈夫な記録に
- 事実と推測はきちんと分ける
- 利用者さんの立場になってみる
- パソコンの使用は状況や相手に合わせて
- 記録の管理には気をつける
具体的に1つひとつ見ていきましょう。
5W1H
記録に漏れがないか確認するために、5W1Hを意識しておくといいと思います。
5W1H
- WHEN いつ
- WHERE どこで
- WHO 誰が
- WHAT 何を
- WHY なぜ
- HOW どのように
利用者さんは思い出したところから、また語りやすいところから語られる場合があります。
特に動転していたり、緊張していたりすると、時系列がズレたり、話が飛ぶこともあります。
話を聞く側が5W1Hを意識しておくことで、足りない情報に気がつくことができます。
あっ、WHEN(いつ)だろう?WHO(だれ)のことだろう?と足りない情報に気がついたら
「いつのことですか?」
「それは誰が言ったんですか?」
など確認することができます。
外部の人に見られても大丈夫な記録を意識する
特定の人にしか分からない略語、独特の言い回しなどは避け、正しい日本語を使うようにします。
もちろん悪口や人を傷つけるような言葉は使わないようにしましょう。
利用者さんに開示を求められた時に見せられますか?
監査の時に見られても大丈夫ですか?
記録は自分だけのものではありません。
見られることを意識して書くことをオススメします。
事実と推測はきちんと分ける
事実だけでなく、支援者の考えや思い、推測などを書く場合は、他人が見てわかるようにしっかり区別して書くようにします。
たまに、何が事実で何が推測なのか、誰が言ったこと、感じたことなのか、ごちゃごちゃになってしまっている記録を目にします。
記録を見た他の人の誤解を生みますし、時間が経つと書いた本人さえもわからなくなってしまうこともあります。
利用者さんの立場になってみる
私たちは慣れてしまうと記録を書くのが当たり前になります。
利用者さんが話し始めると、サッとペンを出して書き始めると思います。
しかし、利用者さんはこんな風に思っているかも・・・。
「何を書いているんだろう」
「話したこと全部記録に残されるの何か嫌だな」
「何書いているか見えないし、コソコソ書かれるのって気分が悪い」
「何のために書いてるの?」
「この話は記録に残さないで!」
私たちの当たり前は利用者さんにとっては当たり前ではありません。
自分が話していることを記録されることに抵抗感や疑問を持つ方もいるんです。

聞かれたときのために、なぜ記録を取るのか説明できるようにしておくと安心です。
利用者さんと一緒に見ながら記録を書くのもオススメです。
記録を見ることで、利用者さん自身もどこまで話したか、何を話したかなど振り返ることができ、これから話す内容を整理することができるからです。
また、利用者さんが話したことを間違って解釈して書いてしまったとき、利用者さんに指摘してもらうこともできるので、間違った記録を残すことも避けられます。

利用者さんの前で記録を書く時は、不安感や不信感を抱かせることのないようにすることが大事です。
パソコンの使用は状況や相手に合わせて

パソコンで記録をとっている方もいると思います。
しかし、利用者さんや同席している関係者によく思われない場合があります。
自分が話をしている時に、相手がパソコンを開いてカタカタ打っているのを見ると「失礼だ」と感じる方もいるんです。
またキーボードを叩く音が会話を邪魔したり、集中力を削ぐ場合があります。
タイピングに慣れている人は、手書きよりも早く効率的に記録できますよね。
よしとされる場面ももちろんあると思います。
しかし、よく思われないこともあるということは知っておいた方がよいでしょう。
記録の管理には気をつける
皆さんは、面談の記録を何に書いていますか?
私が務めていた施設は、決まった書式があり、それを印刷したものに記録するように決められていました。
そして、面談が終わったらすぐにケースファイルに綴じます。
個人の手帳やノートに書いている方は、要注意です。
カバンに入れて持ち歩いたり、自宅に持ち帰っていませんか?
紛失、情報漏洩のリスクがあり、大変危険です。

施設でのルールを守り、記録の管理は徹底しましょう。
便利グッズ
記録用紙を挟んでおけるバインダーは1つ持っておくと便利です。これは中に収納できるタイプ!ペンや資料が入ります。
おすすめの本を紹介
記録の書き方について学びたい方におすすめの本をご紹介します。
記録のことを学ぶ機会って意外とないですよね。「基本的なことから知りたい!」という人におすすめです。
記録を書く上で知っておくべきことや、実践に役立つノウハウが学べます。
こちらは、74の事例と解説がのっています。
実際の記録と修正例を見ながら、どんなところを直すべきかを学ぶことができます。
普段、他人の記録を見ることがない人にもおすすめです。
まとめ
面談記録の意味や書くときのコツについてご紹介しました。
何のために記録を書くのか意識しつつ、自分なりのノウハウを見つけていっていただければと思います。
今回の記事は、主に面談記録について研修を受けていない新人の方に向けて書きました。
記録について、施設のルールや決まりがある場合はそれに従ってくださいね!