経験はないけど、福祉の仕事がしたい。
未経験でも福祉の仕事はできるの?
資格は必要?
この記事は、こんな疑問にお答えします。
この記事を書いている人
- 社会福祉士(国家資格)
- 障害福祉サービスの施設長経験あり
- 採用業務担当経験あり
未経験でも福祉の仕事ができる3つの理由
福祉の仕事に興味があるけど、未経験でもできるのかな。
経験がなくても、福祉のお仕事はできます。
なぜ、未経験でも福祉の仕事ができるのでしょうか。
その理由は次の3つです。
- 福祉の業界は人材不足
- 資格がなくても働ける
- スキルは現場で身につけられる
それぞれの理由を解説します。
1.福祉の業界は人材不足
福祉の仕事は全体的に人手不足の状況で、求人の数も多くなっています。
これは、有効求人倍率をみるとわかります。
有効求人倍率とは
1人あたりに何件の求人があるか表すものです。
数字が大きいほど、求人が多く人手不足であることを意味します。
厚生労働省の一般職業紹介状況(職業安定業務統計)を見てみましょう。
令和3年10月の時点でのデータは以下のとおりです。
- 「社会福祉の専門的職業」の有効求人倍率は、3.00
- 「介護サービスの職業」の有効求人倍率は、3.64
さらに、福祉人材センター・バンク 職業紹介実績報告を見てみましょう。
令和3年9月時点のデータは、福祉分野の有効求人倍率は、4.21となっています。
このように求職者よりも求人数が上回る状態なので、未経験でも受け入れられやすいと言うことができます。
2.資格がなくても働ける
福祉の仕事の求人を見たことはありますか?
「資格、経験不問、未経験歓迎」
「資格取得をサポートします」
このような文言を見たことがあるかもしれません。
資格や経験を問わない求人もあるので、未経験の方でも応募しやすくなっています。
福祉の資格って必要ないの?
資格があると、働ける場が増え、できることは増えます。
実際、資格が必須という求人もあります。
しかし、福祉の現場で働いてみると、資格がない人も多く働いています。
「資格は必要ない」と考える人もいますし、「資格がないと福祉の仕事ができない」というわけではないんです。
意味がないと言われることもある「社会福祉士」
例えば、「社会福祉士」という福祉の国家資格があります。
社会福祉士とは
「専門的知識及び技術をもつて、身体上若しくは精神上の障害があること又は環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある者の福祉に関する相談に応じ、助言、指導、福祉サービスを提供する者又は医師その他の保健医療サービスを提供する者その他の関係者との連絡及び調整その他の援助を行うことを業とする者をいう。」
福祉の現場で相談支援の仕事をしたい方におすすめの資格です。
しかし法律上、社会福祉士の業務は資格がなくてもできる業務です。
経験がない人も社会福祉士と同じ仕事ができてしまうということですね。
そのため、一部では必要のない資格などと言われます。
詳しくは、こちらをご覧ください。
-
社会福祉士の資格は意味がない?社会福祉士のメリットとは
この記事は、こんな疑問にお答えします。 この記事を書いた人 社会福祉士の資格が必要ないと言われる理由 あなたは、こんな話を聞いたことがありますか? この記事を読まれている方の中には、社会福祉士の資格取 ...
続きを見る
介護の仕事も資格は必要ないのか
介護の仕事も、資格がなくてもできます。
しかし、無資格の場合、直接体に触れることのない補助的な業務のみなど、仕事の内容が限定されると思っておいた方がいいと思います。
就職した施設によって異なりますが、食事の支度、掃除、洗濯、レクリエーションなどの業務を任されることが多いかもしれません。
利用者の自宅に伺う訪問介護(ホームヘルパー)は資格はないとできません。
補助的な業務ではなく、介護の仕事がしたいと考えている方は、介護職員初任者研修などを受講すると良いでしょう。
挑戦しやすい資格なのでおすすめです。
介護職員初任者研修は、以前はホームヘルパー2級という資格でした。
以前の名前の方が聞き覚えがある方もいらっしゃるかもしれません。
3.スキルは現場で身につけられる
福祉の仕事は、知識とスキルが必要です。
前もって知識は身につけられますが、スキルはそうはいきません。
現場で仕事をしていく上で身につけていくものです。
資格があるからといって即戦力にはなれるわけでもないんです。
学ぼうという姿勢があれば、最初は資格がなくても、未経験でも問題ないですよ。
経験、資格がない場合の就職の5つの注意点
どんな仕事でもできるわけではない
福祉の仕事は多岐にわたります。
試験や資格が求められる仕事・職場もあります。求人を確認しましょう。
例)福祉系の公務員など
給料が低い
もともと、福祉の仕事はお給料が高い方ではありません。
それが、未経験での就職となるとなおさらです。
資格、経験がないため、求人票で提示される最低ラインのお給料になるかもしれません。
勉強や努力は求められる
福祉の仕事をする上で勉強は欠かせません。
就職先によって異なりますが、介護のスキル、面談のスキル、病気や障害の知識、福祉の法律や制度、サービスの仕組みなどを学ぶ必要がでてきます。
業務時間外にも情報収集や勉強が必要になる場合もあるかもしれません。
謙虚さや素直さが大切
未経験で入社すると、一から指導を受けることになると思います。
注意されたり、指摘されることもあります。
前職ではベテランだったり、指導する側だった人は、プライドが邪魔をするかもしれません。
年下が先輩になると、抵抗感のある人もいるでしょう。
そんな時も、素直で謙虚な気持ちが必要です。
就職後に資格取得が求められるケースもある
「資格はとるつもりはない」と思っていても、施設や法人の方針で資格をとるように勧められる場合もあります。
資格によっては、勉強や試験を受ける必要があり、プライベートの時間に影響がでる可能性も。
資格にかかる費用は、負担してもらえる場合もありますが、自腹の場合もあります。
まとめ:研修やサポート体制がある現場だと安心
未経験でも福祉の仕事ができる理由をご紹介しました。
経験や資格がなくても就職できるチャンスはあります。しかし、知識やスキルが必要ない仕事ではありません。就職後、働きながら学んでいく必要がありますし、最初は経験者よりも苦労することがあると思います。
不安な場合は、研修やサポート体制が充実しているところを選んだり、未経験の人の活躍している職場かどうか確認するのがおすすめです。